特定非営利活動法人 岡山NPOセンター

会報誌NPOkayama 第8号 公益財団法人橋本財団 インタビュー

9月 29, 2023
会報誌「NPOkayama」はNPO法人岡山NPOセンターの会員の皆さまに向けて、NPOの運営・経営に役立つ情報や岡山NPOセンターの最新情報をタイムリーにお届けする会報誌です。
編集・発行は岡山NPOセンター内のNPO事務支援センター(所長・加藤彰子)が行っております。
普段より会員の皆さまの個別支援に取り組んでいる目線から現場に役立つ情報をお届けさせていただきます。
第8号は岡山県の社会福祉増進のための助成事業等を行われている「橋本財団」事務局の濱田さゆりさんにお話をお聞きしました。
また、7 月に実施した「助成金・補助金申請書の書き方講座」講師の高田佳奈さん(公益社団法人岡山県文化連盟日本ファンドレイジング協会 認定ファンドレイザー)から
お聞きした助成金申請のポイントの記事も掲載しておりますので、ぜひご覧ください。
NPO法人岡山NPO セ ン タ ー 隔月刊行会報NPOkayama第8号 発行:NPO法人岡山NPOセンター 編集:同・NPO事務支援センター 助成金は、活動・事業などを支援するための資金提供です。秋は来年度事業に むけて、助成金の募集が多くなる時期です。 今回は、7月に実施した「助成金・補助金申請書の書き方講座」講師の高田佳 奈さん(公益社団法人岡山県文化連盟/日本ファンドレイジング協会認定ファン ドレイザー)からお聞きした助成金申請のポイントをお伝えします。 助成金を獲得するうえで、まずは知っておきたい助成金を獲得する際のメリット、デメ リットについて知っておきましょう。 【助成金を獲得するメリット】 ・まとまった資金が得られる 助成金は事業に使えるまとまった資金を得られることができ、原則返済不要です。 しかし、だからこそ助成事業による成果を求められます。 ・世間的な信頼を得られる 審査を通過し、助成が認められることで、対外的に一定の信頼を得られることがで きます。 ・助成元から資金以外の資源も得られる 助成元とつながることで、告知の機会や有益な情報、また助成対象同士のつなが りを得ることができます。 【助成金を獲得するデメリット】 ・単年度・単発の助成が多い 助成期間が決まっているものがほとんどです。助成金頼みになってしわないよう、助 成終了後の見通しを持つことが必要です。 ・用途が限られている 団体の運営費や人件費は対象経費にならないなど、助成金を使える費目に制 限があることが多いので注意しましょう。 ・自己負担金を求められる場合がある 「総事業費の○%を助成する」という形式になっている助成金は、自己負担金が 発生します。また、精算払いの場合、事業費を立て替えなければならない場合も あります。 ・事務量の増加 報告資料の作成や、決められた会計処理が求められるなどの事務が発生します。 【助成金申請の5つのステップ】 1. 助成金情報のチェック 団体や事業に合った助成金を見極めましょう。何を目的にした助成金なのか、 自分たちの事業が当てはまるかどうかチェックします。 助成金情報サイトを活用すると、幅広く情報を得ることができます。 2. 募集要項のチェック 募集要項は徹底的に読み、要件を満たしているか、どんな事業が求められてい る助成金か確認しましょう。また、過去の採択事例、審査基準、審査方法を チェックし、ストライクゾーンを把握した上で、申請の準備をしましょう。 3. 不明な点の確認 募集要項をしっかり確認したうえで、不明な点や確認しておきたいことがあれば、 事務局に問い合わせましょう。事前説明会や個別説明会に参加して、不明な 点を解消しておくことも良いでしょう。 4. 団体内での合意形成 助成金を獲得して行う事業は、比較的規模の大きな事業になります。そのため、 団体内での合意形成としっかりとした事業計画が必要です。団体内で検討を 重ね、しっかりとした事業計画を立てるためにも、時間的余裕をもって申請作業 を進めましょう。 5.WEBサイト情報の整合性や情報の確認 審査をする際に、助成元はWEBサイトで活動の実績や団体についての情報を 得ることがあります。その際に長い期間動きがないWEBサイトだと、印象が悪く なる可能性もあります。HPやSNSを上手く活用し、普段から活動の様子を発 信しておきましょう。
助成金申請書を書くときのポイント☆ 「助成金申請」は、活動の価値を言語化し、 共感と活動資金を得ることです。 市民活動をされているみなさんは、団体のミッションを果たすために活動されている と思います。助成金獲得のためには、その活動の価値を説明し、申請書内で最 大限に伝える必要があります。 ○魅力的な申請書の書き方 「やりたい事業」ではなく、課題や背景に裏付けられた「やるべき事業」であること を申請書内で伝えましょう。 以下の項目について、簡潔にひと言で伝えられるように要点を整理しておきます。 その上で、申請書類の項目に応じてアレンジをしていくのが良いでしょう。 1.背景:どうしてこの助成金が必要なのか 2.目的:助成金で何ができるか、それによって現状がどう変わるのか 3.目標:事業で実現すること、具体的な数値目標 4.計画:いつ、どこで、だれが、何をするのか 5.成果物:写真、映像などの記録集、新聞記事などの過去の実績 6.事業終了後の展開:継続か終了か、継続の場合の資金計画 ○資金を提供してもらうには? どんなに良い活動だとしても、想いだけ書き連ねている申請書では採択されませ ん。次のことを意識して申請書を作成しましょう。 1.自分が信用できる相手だと示す 2.お金に見合う効果を出せることを示す 3.相手のニーズに合っていることを示す ○提出前にしっかりチェック 審査は書類のみで行われることも多いです。提出前にしっかりと確認しましょう。 1.応募に必要な書類は全て揃っているか確認する 2.団体のミッションと事業計画、予算が連動しているか確認する 3.空欄・記入漏れはないか、文章の誤字、脱字がないか、複数人で読み合わ せをする 4.専門外の人にも読んでもらい理解できるか確認する ポイントを押さえた申請書で事業に必要な資金を獲得して、活動の幅を広げま しょう! 会員さんご紹介:橋本財団 2017年4月に設立。岡山県の社会福祉増進の ための助成事業等を行われている橋本財団事務局の 濱田さゆりさんにお話をお聞きしました。 「橋本財団の助成金について教えてください。」 助成金の趣旨は、どのような方も排除されることなく、望む場所で共に生き る共生社会の実現になります。幅広く福祉活動全般をその対象としています。 数年前からは、人口減少の日本において、移民の受け入れは重要なテーマ の一つとして捉え、その為の支援活動も対象としています。文化や背景の異 なる方々の受け入れは、多様な社会風土の醸成にもつながると期待していま す。助成には福祉助成、研究助成があります。活動助成では、①岡山に住 む外国人の支援活動、②公的な枠外での社会福祉活動を募集しています。 ①岡山に住む外国人の支援活動については、日本語学習支援や地域での 交流活動を行いたい方などにご応募いただけたらと思います。②公的な枠外 での社会福祉活動は、身体的、社会的な困難にありながら公的支援からも れている方への支援を広く対象としています。対象範囲が広く、法人格がない 個人や、これを機に活動をされようとしている0年目の方も対象になること、対 象経費の広さも、橋本財団の助成の特徴の1つかと思います。 研究助成は、移民に関する調査研究、社会福祉課題、 福祉用具の開発が対象になります。募集期間は2023 年9月1日から10月31日までになります。WEB上での 申請のみになります。その他、来年度の公募について、 詳しく知りたい方はHPをご確認ください。 「他にもされている活動について教えてください。」 助成事業以外では、独自のウェブマガジン「Opinions 」を通じた情報発信 事業や、制度の狭間にある様々な社会課題について独自の研究機関「ソシ エタス総合研究所」を中心として行う調査・研究事業があります。 また、最近新しい事業として、通信制高校やサポート校進学のための奨学 金給付事業を始めました。不登校児童生徒の増加等を背景に、通信制高 校を選択する生徒が増えてきていますが、公的な支援は乏しいと聞きます。 9/1(金)~10/20(金)が募集期間になっていますので、条件が当てはまる 方は応募していただきたいですし、知り合いの方で対象になる方がいれば、 是非、紹介していただきたいと思っています。
本会報誌が皆様のNPO経営に少しでもお役に立つことを願っています。
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第7号
事務の年間スケジュールについて/保険料率、税額の変更/会員紹介「NPO法人なでしこ会」

第6号
NPOのための資金調達セミナー/ファンドレイジング/会員紹介「みんなの集落研究所」

第5号
 総会までの手続きの流れ/総会後の手続きの流れ/会員紹介「一般社団法人岡山市ひとり親家庭福祉会」

第4号
 クラウドファンディングご協力のお願い/決算に向けての確認事項と会計処理/会員紹介「子どもシェルターモモ」

第3号
 年末調整/会員定例会(新年会)のご案内/会員紹介「消費者ネットおかやま」

第2号
 総務労務担当者が気をつけること/インボイス制度/会員紹介「妊娠しぇるとSOS」

創刊号
 総会後の手続き、書類の整理/NPO事務支援センターの紹介